平素より本学会へご支援を賜り心より御礼申し上げます。

プロクター制度に関しまして以下ご承知おきいただきたい事例のご案内を申し上げます。
日本婦人科ロボット手術学会のプロクター制度規則は皆様既にご承知の通り以下の目的により運用されております。
「ロボット支援手術を新規に導入する時には、ロボット支援手術に関する経験と知識が豊富な指導者(プロクター)が手術に立ち会い、手術を直接指導(プロクタリング)受ける事を必要とする」

本邦ではロボット手術が普及し、現在は新機種導入におけるプロクタリングと、良性から悪性手術対応への術式展開に基づくプロクタリングが増加傾向にあります。その様な中でプロクタリングに関して、判断と対応に迷われるケースが生じております。 プロクタリングの要否に関して、以下、「プロクタリングについてよくある質問」に記載いたしましたので、ご案内申し上げます。

日本婦人科ロボット手術学会
教育担当・プロクター制度委員会
日本婦人科ロボット手術学会・事務局

プロクタリングについてよくある質問

1.プロクタリングが必須のケース

  • 所属施設で新たにロボット手術を導入する場合
  • 良性疾患ロボット手術から悪性疾患ロボット手術を導入する場合
    リンパ節郭清を新たに行う場合、プロクター招聘は必須です。過去にリンパ節郭清のない体癌症例でプロクタリングを受けていてもリンパ節郭清を初めて行う場合は、良性・悪性プロクターを招聘してください。
  • 新機種でのロボット手術を行う場合
    すでに所属施設でロボット手術をおこなっていても、新機種のロボット手術を初めて行う場合、他機種のプロクターでない術者は当該新機種のファーストインストラクター(FI)もしくはプロクターの執刀手術見学と当該新機種のFIもしくはプロクターを招聘することが必須です
  • (当該新機種のFIもしくはプロクターでない医師を招聘してもプロクタリングとして認められません。FI、プロクターについては学会HPでご確認ください https://jsgrs.jp/app/proctor_list)

2.プロクタリングは必須ではないが依頼してもよいケース
(プロクタリングとしてよいか迷うケース)

  • 術者に対するプロクタリングは終了し独力で手術可と評価されたあと、術者の希望や病院の規定で追加の直接指導を希望される場合(何例まではプロクターの立ち会いを要するなどの病院規定)
    • プロクタリング依頼施設:プロクタリング依頼書を提出
      (備考欄に「すでに自施設での執刀を許可されたがプロクタリングを希望する」と記載)。
    • プロクター:プロクタリング報告書を提出
  • 施設で2人目以降の術者が初執刀の際に、術者の希望や病院の規定で立ち合いを希望される場合
    (1人目の術者が技量不安からプロクタリングを依頼するなど)
    • プロクタリング依頼施設:プロクタリング依頼書を提出
      (備考欄に「すでに当該施設にはプロクタリングを経て執刀を許可された常勤術者がいるが、第2術者の執刀にあたり、プロクタリングを希望する」と記載)。
    • プロクター:プロクタリング報告書を提出
  • プロクタリングを受けた術式とは異なる良性疾患の術式導入時
    (筋腫等の単純子宮全摘術→RSCまたはRSC→単純子宮全摘術)
    *RSCの1例目はプロクターを招聘することが望ましい

3.その他

  • プロクタリング依頼書や報告書を提出しなかった場合はどうなりますか?
    過去に遡るプロクタリング書類は実績として無効であり学会として求めません
    (プロクタリング依頼書が手術前に提出され、かつプロクタリング報告書が手術後1ヶ月以内に提出されている場合に有効)
  • 自施設または関連施設のロボット手術の指導をしている場合、その指導はプロクタリングとしてよいのでしょうか?
    • プロクタリング依頼施設:自施設では初執刀者、関連施設では初執刀者、執刀経験者であるが困難症例であるとか、まだ技量に不安があるとか等の理由を備考欄に付し、プロクタリング依頼書が提出されていれば有効
    • プロクター:プロクタリング報告書を提出

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教育担当・プロクター制度委員会